長月 いなつるびの夕暮れに心澄ます:夏の終わりの静けさを感じて 夏が盛りを過ぎた頃、ふとした夕暮れの空に現れる「いなつるび」。この言葉に馴染みのない方も多いかもしれませんが、昔から季節の移ろいを繊細に感じ取ってきた日本人の心に息づく、美しい季語の一つです。いなつるび――それは、稲の穂が出そろい始める頃に... 2025.07.01 長月
長月 風の盆に舞う夜――富山・八尾の幻想世界と今こそ注目される理由 風に誘われるように、静かに、しかし確かに人々の心をとらえる祭り――それが「おわら風の盆」です。富山県八尾町の山あいに、三日間だけ立ち現れる幻想的な風景。その優美な踊りと哀調の旋律、そして町に流れる凛とした空気が、見る人の心を打ち、そっと日常... 2025.06.30 長月
長月 秋夜に鳴く竈馬のひみつ——懐かしさと癒しの季節音 夏の終わりから秋にかけて、静かな夜の台所や縁側にふと現れる小さな虫——竈馬(かまどうま)。その姿に驚いたことのある方もいれば、どこか懐かしさを覚える方もいるのではないでしょうか。近年、自然との共生や和の暮らしが見直される中で、「竈馬」がひそ... 2025.06.26 長月
長月 台風と稲の境界線 ―二百十日に備える暮らし 季節の移ろいは時に美しく、時に厳しさを伴って私たちの生活に影響を与えます。その一つが「二百十日(にひゃくとおか)」です。夏の終わり、立春から数えて210日目にあたるこの日は、古来より“風の厄日”とも呼ばれ、農業に携わる人々にとって特別な意味... 2025.06.21 長月
長月 二百二十日と風の記憶〜台風の季節と暮らしの知恵 9月初旬、「二百二十日(にひゃくはつか)」という言葉をご存知でしょうか?この日付は、立春から数えてちょうど220日目にあたる日で、稲の実りを迎える農村部にとって、長年“災害警戒日”として重要視されてきました。毎年この時期にやってくるのは台風... 2025.06.18 長月
長月 女郎花の季節、秋の風にゆれる命の詩 秋の草花の中でも、ひときわ風情をまとって咲く「女郎花(おみなえし)」。その可憐で繊細な姿は、昔から和歌や俳句の題材としても親しまれてきました。近年では、自然を感じる暮らしや和の美意識を大切にするライフスタイルの中で、再び注目を集めています。... 2025.06.09 長月
長月 秋の風に揺れる「吾亦紅」の魅力と暮らしの中の楽しみ方 「吾亦紅(われもこう)」という名を耳にして、何を思い浮かべるでしょうか。深紅に染まった小さな花穂が、秋風にそっと揺れるその姿は、どこか懐かしく、胸の奥に染み入るような趣があります。派手さはないけれど、確かな存在感を放つ吾亦紅は、近年ナチュラ... 2025.06.02 長月