一年で最も昼が短く、夜が長くなる「冬至」。カレンダーにしれっと書かれているこの日、なんとなく「ゆず湯に入る日」と思ってる方も多いかもしれません。でも実は、冬至には古くからの意味や願いがたっぷり詰まっていて、知れば知るほど「あぁ、ちゃんと大切にしたい日なんだな」と思えてくるんです。
寒さが厳しくなる前のちょっとした節目として、冬至をきっかけに家族の健康を願ったり、心と体を整えたりできたらいいですよね。今回は、そんな「冬至」について、由来や風習、過ごし方のアイデアまで、まるっとご紹介します。
冬至とは何か?
太陽の動きと冬至の関係
冬至(とうじ)は、二十四節気のひとつで、毎年12月21日頃にやってきます。この日は、地球の傾きの関係で、北半球では太陽の高さが最も低くなり、昼の時間が1年で一番短くなる日です。逆に夜はとっても長い。
昔の人たちは、太陽の力が弱まることを不吉と考えていたこともあって、冬至を境に太陽の力が再び強まっていくことを「太陽が生まれ変わる日」として、とても大切にしていたんですよ。
冬至にゆず湯に入る理由
「冬至といえばゆず湯」というくらい定番の風習ですが、なぜゆずなのでしょうか?実は「ゆず=融通がきく」という語呂合わせと、強い香りが邪気を払うと信じられていたためなんです。さらに、ゆずにはビタミンCも豊富で、肌がすべすべになったり、風邪予防にも効果的。理にかなってるんですね。
冬至の伝統的な食べ物たち
冬至に食べる「ん」のつく食べ物
昔から、冬至には「運」を呼び込む食べ物として、名前に「ん」が2つつく食材を食べるといいとされてきました。たとえば、なんきん(かぼちゃ)、れんこん、にんじん、きんかん、ぎんなんなど。「運盛り」とも呼ばれて、縁起を担ぐ大事な習慣だったんですね。

特に「なんきん(かぼちゃ)」は、保存がきくうえに栄養価も高く、寒い時期にぴったり。実家では、冬至になると毎年かぼちゃの煮物が出てきて、それがなんだかホッとする味だったのを今でも覚えています。
小豆とかぼちゃを一緒に煮る「いとこ煮」
地域によっては「いとこ煮」と呼ばれる、かぼちゃと小豆を一緒に煮た料理を食べる風習もあります。小豆は邪気を払うとされていて、これまた冬至にぴったりの食材。甘さとほっくり感がたまらない、体も心もほかほかになる一品です。

現代の冬至の楽しみ方
ゆず湯+αのリラックスタイム
せっかくゆず湯に入るなら、ちょっと贅沢してバスソルトやアロマオイルを加えてみても◎。さらにキャンドルを灯したり、好きな音楽を流したりすれば、自宅で簡単に“冬至スパ”の完成です。長い夜だからこそ、ゆったりとした時間を意識的に楽しむのもおすすめですよ。
冬至の日は“陰”から“陽”への切り替えスイッチ
スピリチュアルな視点で見ると、冬至は「陰が極まり、陽に転ずる」ターニングポイント。つまり、これからどんどん光が増えていく始まりの日なんです。
そのため、冬至の日に願いごとを書いたり、目標を立てたりするのもいいとされています。私自身、毎年この日に手帳に「これからやりたいこと」や「叶えたいこと」をリストアップするようにしていて、不思議と気持ちが前向きになるんですよね。
子どもと一緒に楽しむ冬至
ゆずスタンプやかぼちゃクッキング
お子さんがいるご家庭なら、冬至をちょっとした“季節イベント”として楽しんでみるのもアリです。
たとえば、半分に切ったゆずを使ってスタンプ遊びをしたり、一緒にかぼちゃを使ったスイーツ作りに挑戦してみたり。
「どうして今日はゆず湯に入るの?」「かぼちゃってなんで食べるの?」と、季節の意味を会話しながら体験できるのって、何気ないけどすごく素敵な時間だと思うんです。
絵本やお話で季節を伝える
冬至をテーマにした絵本や、日本の昔話を一緒に読むのもいいですよね。視覚からも季節を感じられるし、親子で心を通わせるきっかけにもなります。
たとえば『おふろだいすき』『かぼちゃのつる』『にんじんとごぼうとだいこん』など、冬至の情景がやさしく描かれていて、読むだけで心があたたかくなります。
- 『おふろだいすき』(松岡享子・作/林明子・絵):お風呂をテーマにした絵本で、ゆず湯と絡めて読むと季節感が高まります。https://amzn.to/40ABLhc
- 『かぼちゃのつる』(神沢利子・作/赤羽末吉・絵):かぼちゃが登場する昔話調のお話で、冬至の「なんきん(かぼちゃ)」にちなんで読むのにぴったりです。
- 『にんじんとごぼうとだいこん』(日本の昔話):冬野菜と関わりが深いこのお話も、食育や季節の理解に◎。https://amzn.to/3H1UZ8K
まとめ
冬至は、ただ「日が短い日」というだけでなく、太陽の力が再び強くなっていく希望の日。そして、昔から人々が健康や幸せを願って過ごしてきた、特別な節目でもあります。
ゆず湯やかぼちゃの煮物といった伝統に触れながら、心と体をいたわる時間を作ること。それが現代の私たちにとっての“新しい冬至の過ごし方”かもしれません。
寒さも本格化する季節だからこそ、あたたかさに目を向けて。自分や家族の幸せを、そっと願う日にしてみませんか?
FAQ(よくある質問)
Q. ゆずがないときはどうしたらいい?
A. ゆずの代わりに、みかんやレモンでもOK!香りの良い柑橘系ならリラックス効果もバッチリです。
Q. 冬至の日にやってはいけないことってある?
A. 特に「禁忌」とされることはありませんが、体調を崩しやすい時期でもあるので、無理せずゆったり過ごすのがおすすめです。
Q. かぼちゃが苦手な場合、代わりになる食べ物は?
A. れんこんやにんじんなど、他の「ん」が2つつく野菜で運盛りを楽しんでみてください。